蕁麻疹(じんましん)の治療
じんましんは、赤み(紅斑)をもった小さな皮膚のふくらみ(膨疹)
が突然できる病気です。患者さんによって赤みやふくらみの症状
の出方や期間は異なり、いつの間にか消えるのですが、別の場所
に現れてはまた消えることを繰り返すのが特徴です。症状があら
われてから6週間以内のものを急性じんましん、
6週間以上のものを慢性じんましんとよびます。
また、ムズムズするようなかゆみをもつことが多いので、特に慢
性じんましんの患者さんにとってはつらい病気です。
原因
じんましんは、主にヒスタミンとよばれる物質により症状が起こります。
何らかの刺激で皮膚のマスト細胞という細胞からヒスタミンが放出されると、
血管への作用により皮膚の赤みやふくらみを、神経への作用によりかゆみを起こします。
アレルギー性蕁麻疹
食物や薬剤などアレルギーが原因で起こる蕁麻疹。接種後30分以内で起こる事が多く、慢性的に続く場合は膠原病や内臓疾患を合併する場合が多くあります。
アレルギーの原因を調べたい方は採血での検査アレルギー検査を行うことをおすすめしております。
非アレルギー性蕁麻疹
機械(貴金属類など)による圧迫や日光、発汗・ストレスなどが原因で起こる蕁麻疹です。激痛を伴うケースもあります。
じんましんは、4~5人に1人が一生に一度は経験するといわれています。
じんましんは大きく自発的に症状があらわれるタイプ(特発性)と
特定の刺激に反応してあらわれるタイプ(刺激誘発型)
に分けられます。全体の7割以上の患者さんは自発的に症状があらわれるタイプです。
じんましんの診断は主に問診と症状に基づいて行われ、
基本的には原因を調べるための検査は行われません。
特定の刺激で起こるじんましんもあります。このタイプのじん
ましんでは、誘因となる刺激をさけることが大事です。
次のようなことが思い当たる場合は、必ず医師に伝えましょう。
1人の患者さんが複数の種類の刺激に反応することもあります。
治療
じんましんの治療では、第一目標を「治療により症状があらわれない状態」、
最終目標を「無治療で症状があらわれない状態」とします。
じんましんの治療は、特定の刺激に反応してあらわれるタイプの場合には原因となる刺激をさけること、
自発的に症状があらわれるタイプの場合には抗ヒスタミン薬などの薬物療法が中心となります。
薬物治療について
自発的に症状があらわれるじんましんは、症状を起こすヒスタミンという物質の働きをおさえるお薬が効きやすく、
しばらく治療を続けることによって治ることが多いのです。
原因不明だからとあきらめずに、しっかり治療することが大切です。
治療内容はじんましんの症状と効果に応じてステップアップします。
症状がよくなってきたら治療内容をステップダウンします。